2. 謝らなくていいです。

7月も1週目が終わろうとしている。

このエントリーを書いているのは七夕の夜。

彦星と織姫は無事に出会えたのだろうか。

 

彦星と織姫と言えば、七夕伝説を初めて聞いた3歳の時から、

「地上が雨でも晴れでも、天の川は雲の上に存在するわけだから、彦星と織姫は絶対毎年会えてるのでは」

と思っている。

とはいえ、笹の葉に願い事や、繊細な和紙作りの飾りを下げる風習の涼やかさは好きだ。

無粋な考えは胸に閉まって、地元の園児たちの作った飾りを横目に、駅の改札を慌ただしく通り抜けるのである。

 

 

さて、そんな風に慌ただしく最寄りの改札を通り抜けて7月1週目ラストの出勤をした金曜、指導担当とのコミュニケーションに出てきたのが、

「謝らなくていいです。」

という言葉だった。

 

経緯を話すと、メールで以前と同様の内容の注意を受けてしまい、

「ごめんなさい、以降気をつけます」

と返すと、

ぶっきらぼうなメールを送ってしまったけれど、怒っていないし謝らなくていいです。」

と返ってきた。

 

正直、複雑な気持ちである。

彼は、私に「そんなに気にしないでね」というメッセージを伝えたかったのだろうということ、そして彼の性格上、100パーセント他意はないだろうことは分かっている。

しかし、「そんな風に気を遣わせてしまった原因は自分のミスだ」という点に心はフォーカスを当ててしまい、素直に受け取れないばかりか、更に申し訳ない気持ちが増したのだった。

 

このように近頃、自分の至らなさを思い知らされる出来事が多く、「楽しい」だけで乗り越えられてきた4月・5月のフレッシュなフェーズが去ったことを実感している。

正直、少し苦しい。

 

新人の私に、初めから何事も完璧にこなすことなど誰も期待していないのは分かっている。

この始まったばかりの苦しいフェーズを如何に乗り越えどのような教訓を得るのか、

得た教訓をどれほど現在の自分に反映させられるか、

そして最終的に現在の自分を超えていけるのか。

そのような、「失敗から学びを得て成長する」という姿勢を崩さないことが求められているという点も分かっている。

ただ、心はやはり落ち込むのである。

 

なぜ頭では分かっていても落ち込むのか。

「新人ぽくない」「頭の回転早そう」「バリキャリになりそう」etc.

これらは、私がかなりの確率で持たれるファーストインプレッションであるが、

このような印象を持たれていることを考えてしまうのだ。

「デキるイメージを持たれてしまい、その後はポンコツであることが徐々にばれて、評価は右肩下がりになる一方だ」と。

自尊心が強く、自分の弱さを受け止めることが苦手な私にとって、このような思いはダメージとなって心にのしかかる。

そして、簡単なこともできない自分に嫌気が差し、周囲にどれほどフォローされても受け止められないのである。

 

 

と、最近の私は4・5月の浮かれた気持ちがだいぶ落ち着いて、むしろ少し後ろ向きになっている気もする。

だが、6月が始まった頃は「このまま何も怒られないと後になってとんでもないミスをしそうで怖い」と思っていたわけだし、当たり前だが失敗は多い方がその後の成長も期待できる。

というわけで、自分の弱さを受け止めることは死ぬほど嫌いな私だが、今までの失敗から得た教訓を基に常に自分をアップデートしていくこと、ミスをして落ち込むだけ落ち込んだらすぐに前を向くよう努めることを忘れずに行きたい。

 

弱さを認めることが苦手で、大学時代にも多くの壁にぶつかった。

それらを乗り越えた私が残してくれたメッセージ曰く、

「うまくいかなくても、その時の自分を受け止めること。そのためにも、自分の信念を貫くこと。そうして自分の選択の結果を、常に正解にしていくこと」

らしい。

 

そんなメッセージを残してくれた大学時代の暇を持て余しすぎていた私には、

「たまには良いこと言うじゃん」

というメッセージを送ろう。

 

ほら、私を前に向かせてくれるのは、やはり過去の自分の失敗なのである。